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ミリタリー
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自衛隊の前進となる警察予備隊にその訓練当初から供給されたのはM24軽戦車で1952年上半期に40両。最終的には375両を装備。次にM4シャーマンが1954年から計232両。M41戦車の頃は有償となり1961年から計147両。発足当初の陸自(保安隊)は実質M24軽戦車が中核だったことになる。
これらは朝鮮戦争の余剰品だが、M24は北朝鮮軍のT34/85に対し、早くから火力不足だった様が伺える。一方で航空戦力に地上支援を託す米軍に対し、戦術が追い付かない陸自が野砲の機動化を提案するのは妥当。内製化によって工業力を吸収し復興を後押しする意図も当然あっただろう。
近隣国が朝鮮戦争に揺れる以前から、欧州は1948年に始まるベルリン封鎖で冷戦が激化。アメリカも1949年に発足したNATO軍宛てに兵器の需要が高まる。1953年の朝鮮戦争停戦後、日本国内には大量の余剰兵器が残るものの、いずれも旧式で、アメリカから新型が供給される余裕はない。再軍備に当り日本政府は米国にM47の導入を希望したが、1500両もの導入が決まっていた西ドイツが優先され、日本は削減された駐留経費で61式戦車の開発することになる。再軍備と兵器の国産化は世界情勢によるものだ。
車台はM24のものを流用。M24は攻守のバランスの取れた名設計ではあったが、エンジンは民生品活用の進んだ米国らしく、キャデラック・シリーズ44T24エンジンを２基連結したからツインエンジン。これを三菱8HA 4ストロークV型8気筒空冷ディーゼルターボに換装。トランスミッションは二次試作車からは、M24のハイドラマチック変速機を三菱でリバースエンジニアリングしたものに換装。車体上部は砲塔ごと取り払われ密閉式の戦闘室に、やはり米国製M101(M2A1)105mm榴弾砲を日本製鋼所で車載用に改修して搭載。駐退機を覆うカバーと防盾が新造。105mm砲は発射速度が早く操作性も良好で今も各国で現役にある。また我が国でも「礼砲」として保管されており、「即位の礼」で使われたのは記憶に新しい。
米軍のM37自走榴弾砲を範とした56式には、M37の前型に当るM7プリースト自走砲から引き継がれた車体右前方の機銃塔がある。重量は不明だがオープントップのM37でも18トンもあったことから20トンを超えるかもしれない。エンジン出力は同等ながら走行性能が落ちたため2両の試作のみに終わる。正式化されていたら陸自が大量に保有していたM24軽戦車に、同じく使い勝手の良かったM101・105mm榴弾砲を組み合わせ簡便かつ効果的な火力になったに違いない。後に陸自は米国製M52自走砲の供与を受ける。国産105mm自走砲は74式自走砲を最後に155㎜自走砲に移行した。
敗戦国の我が国は米軍占領下で陸上兵力の国産化から徐々に着手。その後、航空機のライセンス生産で力を付け、国産の艦艇や潜水艦は世界的なレベルを凌駕する。戦後、占領国アメリカが日本を反共の防波堤に仕立てようとする中で、日本は地道に技術を蓄積し復興を成し遂げていく。再軍備のための技術開発を民間利用に昇華させた営々たる努力が、世界有数の技術と文化を持つ国家国民として世界中から高い評価を得るに至った。
これらは朝鮮戦争の余剰品だが、M24は北朝鮮軍のT34/85に対し、早くから火力不足だった様が伺える。一方で航空戦力に地上支援を託す米軍に対し、戦術が追い付かない陸自が野砲の機動化を提案するのは妥当。内製化によって工業力を吸収し復興を後押しする意図も当然あっただろう。
近隣国が朝鮮戦争に揺れる以前から、欧州は1948年に始まるベルリン封鎖で冷戦が激化。アメリカも1949年に発足したNATO軍宛てに兵器の需要が高まる。1953年の朝鮮戦争停戦後、日本国内には大量の余剰兵器が残るものの、いずれも旧式で、アメリカから新型が供給される余裕はない。再軍備に当り日本政府は米国にM47の導入を希望したが、1500両もの導入が決まっていた西ドイツが優先され、日本は削減された駐留経費で61式戦車の開発することになる。再軍備と兵器の国産化は世界情勢によるものだ。
車台はM24のものを流用。M24は攻守のバランスの取れた名設計ではあったが、エンジンは民生品活用の進んだ米国らしく、キャデラック・シリーズ44T24エンジンを２基連結したからツインエンジン。これを三菱8HA 4ストロークV型8気筒空冷ディーゼルターボに換装。トランスミッションは二次試作車からは、M24のハイドラマチック変速機を三菱でリバースエンジニアリングしたものに換装。車体上部は砲塔ごと取り払われ密閉式の戦闘室に、やはり米国製M101(M2A1)105mm榴弾砲を日本製鋼所で車載用に改修して搭載。駐退機を覆うカバーと防盾が新造。105mm砲は発射速度が早く操作性も良好で今も各国で現役にある。また我が国でも「礼砲」として保管されており、「即位の礼」で使われたのは記憶に新しい。
米軍のM37自走榴弾砲を範とした56式には、M37の前型に当るM7プリースト自走砲から引き継がれた車体右前方の機銃塔がある。重量は不明だがオープントップのM37でも18トンもあったことから20トンを超えるかもしれない。エンジン出力は同等ながら走行性能が落ちたため2両の試作のみに終わる。正式化されていたら陸自が大量に保有していたM24軽戦車に、同じく使い勝手の良かったM101・105mm榴弾砲を組み合わせ簡便かつ効果的な火力になったに違いない。後に陸自は米国製M52自走砲の供与を受ける。国産105mm自走砲は74式自走砲を最後に155㎜自走砲に移行した。
敗戦国の我が国は米軍占領下で陸上兵力の国産化から徐々に着手。その後、航空機のライセンス生産で力を付け、国産の艦艇や潜水艦は世界的なレベルを凌駕する。戦後、占領国アメリカが日本を反共の防波堤に仕立てようとする中で、日本は地道に技術を蓄積し復興を成し遂げていく。再軍備のための技術開発を民間利用に昇華させた営々たる努力が、世界有数の技術と文化を持つ国家国民として世界中から高い評価を得るに至った。
