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ミリタリー
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コロナに世界中が揺れた2020年秋。浜松基地に茨城の百里基地から一機のF-4EJが降り立った。F-4EJを最後まで実戦運用した第301飛行隊の一機で、浜松基地で整備の後、浜松広報館にて展示保存されることになった。

F-4EJは1971年(万博翌年!)から航空自衛隊に配備が始まり実に50年も運用され続けてきた。またF-4シリーズ自体1958年の初飛行以来5,000機以上が生産され、現役で運用され続ける「西側で最も多く生産された超音速戦闘機」でもある。私が子供の頃から空自には配備されていたが、詳しく知ったのはハセガワのプラモデルから。私は戦車プラモ派だったから。

自衛隊機は専守防衛下の敵地攻撃能力を削がれているが、本国でF-4はいわゆる戦闘爆撃機。アメリカを破綻させたベトナム戦争の立役者だった。記録映像でF-4が投下しているのは、今では使用が制限されているクラスター爆弾やナパーム弾。軍用機の活躍は華々しい英雄伝説ばかりではない。

ハセガワの1/72プラモのファントムはミートボール(日の丸)の大きさが印象に残っている。領空侵犯に対する警告が主たる任務だった時代は秘匿性よりも警告や威圧が重要だったのだろう。その後ロー・ビジビリティ(低視認性)の世界的流行でどこの国もカモフラージュやエンブレムが地味になっていった。ガルグレーの空自の機体はコーションラベルが逆に目立つ。

F-4はもともと海軍機(艦載機)のためアレスティング・フックとドラッグシュートの両方を装備している。無論空自ではアレスティングフックは運用外。1950年代まだ大型だった電探や管制機器を搭載するため機体は大型化。双発化は一発停止時の生残性を高める特に海軍機には望ましい装備。

F-4が二基搭載するJ79ターボジェットエンジンは、F-4の前型F-104Jと基本的に同じエンジンで石川島播磨重工がライセンス生産する。空自にも配備されNATO軍始め西側諸国で広く使われたF-104と主要部品のエンジンが共通ということはF-4の運用コストの節約に貢献したであろうことは想像に難くない。おそらく機種選定時にもそうとう有利に働いたはずだ。

F-4の基本設計は古い。水平尾翼のモーメントアームを取るため主翼から離すのは定石だが、翼弦の広い超音速機では迎角を取ると尾翼が後流内に入り揚力を失う現象が起こる。それを極力減らすため水平尾翼に下反角を付けたが、そのままではロール特性に影響する。それを打ち消すため主翼に上反角を取る。かくしてファントムの奇怪なシルエットが完成した。

カエルのマークが百里基地の第301飛行隊。主力戦闘機がF-15JやF-2に交代しても演習や実験開発など任務は多岐に渡り、偵察型のRF-4Eと共に災害発生直後の被害状況の偵察等にも使われ続けた。航空祭等のイベントでもお馴染みだが、本国で黒煙を吐くことで有名だったJ79のスモークが、ほとんど見えなくなったのはエンジン本体か燃料の改良によるものか。

そのF-4がF-104Jや三菱F-1と轡を並べ、対面が歴代ブルーインパルスで固められた。人気高騰中だ。おかげで歴代練習機のバンパイアやトロージャンが追い出されてしまったようだ。展示品の入れ替えなら歓迎すべきだが、行き先が気になる。各務原の博物館辺りで元気にしてるだろうか。

F-4EJは1971年(万博翌年!)から航空自衛隊に配備が始まり実に50年も運用され続けてきた。またF-4シリーズ自体1958年の初飛行以来5,000機以上が生産され、現役で運用され続ける「西側で最も多く生産された超音速戦闘機」でもある。私が子供の頃から空自には配備されていたが、詳しく知ったのはハセガワのプラモデルから。私は戦車プラモ派だったから。

自衛隊機は専守防衛下の敵地攻撃能力を削がれているが、本国でF-4はいわゆる戦闘爆撃機。アメリカを破綻させたベトナム戦争の立役者だった。記録映像でF-4が投下しているのは、今では使用が制限されているクラスター爆弾やナパーム弾。軍用機の活躍は華々しい英雄伝説ばかりではない。

ハセガワの1/72プラモのファントムはミートボール(日の丸)の大きさが印象に残っている。領空侵犯に対する警告が主たる任務だった時代は秘匿性よりも警告や威圧が重要だったのだろう。その後ロー・ビジビリティ(低視認性)の世界的流行でどこの国もカモフラージュやエンブレムが地味になっていった。ガルグレーの空自の機体はコーションラベルが逆に目立つ。

F-4はもともと海軍機(艦載機)のためアレスティング・フックとドラッグシュートの両方を装備している。無論空自ではアレスティングフックは運用外。1950年代まだ大型だった電探や管制機器を搭載するため機体は大型化。双発化は一発停止時の生残性を高める特に海軍機には望ましい装備。

F-4が二基搭載するJ79ターボジェットエンジンは、F-4の前型F-104Jと基本的に同じエンジンで石川島播磨重工がライセンス生産する。空自にも配備されNATO軍始め西側諸国で広く使われたF-104と主要部品のエンジンが共通ということはF-4の運用コストの節約に貢献したであろうことは想像に難くない。おそらく機種選定時にもそうとう有利に働いたはずだ。

F-4の基本設計は古い。水平尾翼のモーメントアームを取るため主翼から離すのは定石だが、翼弦の広い超音速機では迎角を取ると尾翼が後流内に入り揚力を失う現象が起こる。それを極力減らすため水平尾翼に下反角を付けたが、そのままではロール特性に影響する。それを打ち消すため主翼に上反角を取る。かくしてファントムの奇怪なシルエットが完成した。

カエルのマークが百里基地の第301飛行隊。主力戦闘機がF-15JやF-2に交代しても演習や実験開発など任務は多岐に渡り、偵察型のRF-4Eと共に災害発生直後の被害状況の偵察等にも使われ続けた。航空祭等のイベントでもお馴染みだが、本国で黒煙を吐くことで有名だったJ79のスモークが、ほとんど見えなくなったのはエンジン本体か燃料の改良によるものか。

そのF-4がF-104Jや三菱F-1と轡を並べ、対面が歴代ブルーインパルスで固められた。人気高騰中だ。おかげで歴代練習機のバンパイアやトロージャンが追い出されてしまったようだ。展示品の入れ替えなら歓迎すべきだが、行き先が気になる。各務原の博物館辺りで元気にしてるだろうか。